コラム

FCチェーンの海外展開の動向 ~なぜアジアに進出するのか?~

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FCチェーンの海外展開

日本のFCチェーンの海外展開の話題が新聞紙面を賑わせています。かつては低コストを目的とした製造業の工場進出が大半でしたが、最近では小売業、飲食業、サービス業のフランチャイズチェーンが、海外マーケットの獲得を目的とした展開が増えています。しかし、進出するという話題の一方で、撤退するということもよく聞きます。海外展開で成功することは容易ではなく、念入りな計画としっかりとした準備が必要です。FC研では、実際に海外展開をして成功しているFCチェーンへのヒアリング調査を通じて、海外展開の実態や留意点などを明らかにしました。その成果をまとめたものが小冊子『FCチェーンの海外展開ハンドブック』です。
本コラムは、この冊子より抜粋掲載しています。
※H26年3月発刊時の情報であり最新の情報ではない点はご了承ください。

アジアへの海外展開を急速に進めるFCチェーン

最近、FCチェーンの海外展開の話題が多い。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、世界的に和食ブームが起きていることもあり、外食チェーンの海外展開の報道が増えている。しかし、外食チェーンに限らず、小売・サービス業チェーンにおいても海外展開報道が増えている。ほとんどのFCチェーンがアジアへの海外展開を急速に進めている点が特徴的である。

FCチェーンの海外進出の現状

FCチェーンの海外進出の現状

なぜアジアに進出するのか

これまでアジア諸国は、安価な労働力が注目され、生産拠点として進出の対象となっていた。最近では、アジア諸国のマーケットとしての魅力が注目され、進出の対象となっている。
アジアは世界人口の6割を占めている。しかも今後さらに人口増加が見込まれている。経済(GDP)の成長率は日本を含め先進国の成長率が低迷している中で、高い成長率を維持している。経済の成長とともに、1人あたりGDPは増加傾向にある。こうして購買力が高まることで、マーケットとしての魅力が高まっている。
加えて、アジア諸国は日本から近く、食文化が比較的似通っていることや、「日本ブランド」に対して好印象を持っている人が多いことも、アジアへの進出を促す一因になっていると考えられる。
日本国内では経済の低迷が続き、競合も激化しているため、事業を今後とも大きく成長させていくことは難しい。そこで、外食・小売・サービスの業種で構成されている日本のFCチェーン各社は、アジア諸国のマーケットに注目し、大きく成長することを求めて、アジアへの海外展開を積極化させているといえる。

経済見通し(GDP成長率) 出所:IMF

経済見通し(GDP成長率)

FCチェーンの海外展開パターン(進出形態)

海外への進出形態を類型化すると、以下のとおりである。

FCチェーンの海外進出形態

実際に取材したチェーンをみると、ほとんどのケースが、「③-2マスターフランチャイズ契約(現地本部:合弁会社)」となっている。これは、海外展開をするには、現地の有力なパートナー企業が欠かせないことを示している。また、合弁にすることで、パートナー企業と自社の役割分担を決めて両社の強みを発揮することが重要である。一方で、経営状況や事業運営をチェックし、ブランドやノウハウの管理を行うことも必要である。
取材したチェーンは全て日本国内でFC展開しているチェーンである。しかし、海外での店舗展開は、加盟店(FC店)を募集せず現地本部の直営店だけで展開しているケースが多い。このことは、海外での加盟店(FC店)展開の難しさを示しているといえる。

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海外展開を成功させる「FCチェーンの海外展開ハンドブック」

■海外展開をして成功しているFCチェーンへのヒアリング調査
■海外展開の実態や留意点などを明らかに
日本のFCチェーンの海外マーケットの獲得を目的とした展開が増えています。 しかし、進出するという話題の一方で、撤退するということもよく聞きます。海外展開で成功することは容易ではなく、念入りな計画としっかりとした準備が必要です。本書では、実際に海外展開をして成功しているFCチェーンへのヒアリング調査を通じて、海外展開の実態や留意点などを明らかにしました。海外展開を計画しているFC本部様必見の書物です。

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