本コラムは平成25年3月に発刊した『成功する!低額投資フランチャイズ』より抜粋掲載しています。
※H25年3月発刊時の情報であり最新の情報ではない点はご了承ください。
以下、成功する!低額投資フランチャイズ ~はじめに~ より
私たちは最近の潮流となっている低額投資FCビジネスに注目し、FC本部・加盟者に調査ヒアリングをして、その実態を明らかにしたいと考えました。調査ヒアリングは過去3年間のフランチャイズ・ショーで標準開業資金1000万円以下として記載があった出展企業を中心としてFC本部21社、FC本部から紹介いただいた加盟店7社、合計28社に実施しました。業種をみると、学習塾から介護事業、リサイクル、生活支援など最近の潮流を代表する業種から広くヒアリングすることができました。本書は、これからFCチェーンへの加盟を検討している加盟希望者だけでなく、FC本部企業にとっても参考になる内容となっています。フランチャイズ・ビジネスの発展に向けて少しでもお役に立てれば幸いに存じます。
介護ビジネスについて
介護ビジネスは、FC本部2社、加盟者2社の取材ができました。本部は2社ともデイサービスが主体で、いずれも初期投資金額は1千万円程度であります。
1社は全国で600店舗近くあり、通所介護施設として著名であります。もう1社は、大手ベッドメーカーで、店舗展開は20店舗程度でありますが、本体は資本金56億円のしっかりした会社のようです。目下、フランチャイズ・パッケージの構築に向けて努力中であり、サポート体制、マニュアル、事業内容の充実に向けて努力していると判断致します。
加盟者の1社は、加盟後半年で売上高320万円(月額)で、稼働率は90%であるため、比較的順調に進んでいると判断できます。営業利益は売上高対比24%でまずまずの成果と思われます。FCオーナーの人件費は営業利益に含まれています。加盟を検討される場合は、必ず、オーナー収入後の利益額を確認して下さい。もう1社の加盟者は、加盟後3ケ月しか経過していないため、いまだ利益を出すにはいっておりません(調査時点)。
利益を出すまでには、最低でも4ヶ月はかかるようですので、半年程度の生活費を事前に用意する必要があると思います。
現時点において、介護ビジネスは、比較的順調な業績を維持している加盟者が多いようです。しかし、介護サービス事業は法律改正(3年毎の見直し)に左右される面が大きく、フランチャイズとしては、長期的にはやや不安定な部分があることを、しっかり確認して加盟の是非を決めて下さい。
介護ビジネスは、社会的に有意義なビジネスであり、それだけに社会的責任が問われます。本部の理念や加盟者の使命感が重要視されます。