フランチャイズ収支モデル

フランチャイズ収支モデルの見方

加盟後に後悔しないためには他チェーンとの比較を

FCチェーンの加盟希望者にとって、FCチェーン加盟でどれだけ資金が必要なのか、開業後にどれだけ売上・利益がでるのか、という点は、最大の関心事です。いったんFC加盟すると契約書を締結し簡単にやめられないことから、後悔しないようにFCチェーンを選択する必要があります。
しかしながら、チェーン選びにあたり、十分な比較検討をせず、1つのFCチェーンに決め打ちをして加盟するケースが散見されます。理念に共感し、このチェーンで頑張りたいと思えるチェーンに巡り合ったら、夢が広がり、他チェーンへの関心がなくなることも考えられますが、そうした意中のチェーンに巡り合った場合でも、加盟後に後悔しないために、他チェーンとの比較をおこなうことは大切です。なぜなら、他チェーンとの比較によって、意中のチェーンがどのようなビジネスモデルなのか、どのような本部サポートを受けられるのかが見えてくるからです。

同じ業態内での他チェーンと比較すると、いろいろな疑問点が湧いてきます。「Aチェーンでは加盟金300万円なのに、Bチェーンでは100万円なのは何故だろうか、Bチェーンでは研修費を記載しているのにAチェーンでは研修費はかからないのだろうか、Cチェーンだけ広告宣伝費が少なく記載されているが何故だろうか」といった具合です。こうした疑問点を投げかけることで、ビジネスモデル理解の促進につながります。

初期投資額の目安

フランチャイズ研究会が2019年に調査した業種の初期投資額の目安(物件取得費除き)は以下の通りです。

業種 初期投資額(掲載分の最小~最大) 初期投資額の目安(物件取得費除き)
▽小売業
コンビニエンスストア 100~300万円 300万円
リユース(買取)店 180(※)~1,170万円 1,200万円
高齢者向け配食サービス 30~686万円 700万円
▽外食業
カフェ 410(※)~5,130万円 5,000万円
居酒屋チェーン 220~3,555万円 2,000~4,000万円
ラーメン店 470(※)~2,600万円 2,000万円
焼肉店 2,100~9,391万円 7,000万円
▽サービス業
学習塾 538~869万円 800万円前後
理美容業 190(※)~2,670万円 1,500~2,600万円
リラクゼーション 235~1,782万円 1,000~1,700万円
フィットネスクラブ 760~2,352万円 2,000万円前後
ハウスクリーニング 99~410万円 350万円

(※)内装工事別

物件取得費は、立地場所や面積によって大きく異なるため、初期投資額に含めず別途かかる旨の表示をしているチェーンがほとんどです。また、初期投資額を抑えて加盟しやすくするため、設備を本部で用意するチェーンが散見されます。この場合、設備負担分をロイヤルティ等で加盟者が負担することになるため、契約内容を十分確認する必要があります。

初期投資額の目安としては、厨房設備や店舗設備を必要とする業種で比較的高額となっていますが、それ以外では、1,000万円程度に抑えています。初期投資額を抑えることで加盟者を募集しやすくしています。

収支モデルの目安

フランチャイズ研究会が2019年に調査した業種の収支モデルの目安は以下の通りです。

業種 売上高(掲載分の最小~最大) 売上高営業利益率
▽小売業
コンビニエンスストア 日販53~65万円 粗利益率30.9%~31.9%
リユース(買取)店 月商424~1,020万円 8.8%~19.1%
高齢者向け配食サービス 月商148~352万円 15%~32%
▽外食業
カフェ 月商344~900万円 7.8%~17%
居酒屋チェーン 月商200~751万円 9.5%~40%
ラーメン店 月商400~763万円 3.9%~22.5%
焼肉店 月商400~1,200万円 13%~20%
▽サービス業
学習塾 月商170~228万円 28.9%~45.8%
理美容業 月商70~400万円 13.3%~27.2%
リラクゼーション 月商240~450万円 13.6%~28.5%
フィットネスクラブ 月商236~326万円 15.7%~39%
ハウスクリーニング 月商40~150万円 54%~85%

本部選びの留意点

本部が公開する情報は、加盟者を募集することを目的としており、必要資金をすべて網羅しているとは言えません。また、収支モデルに記載された売上高は一握りの成功事例かもしれず、実際に加盟しても計画通りには売上が立たない場合も十分想定されます。(実際に、加盟後に予想した売上が立たず、聞いていた話と違うとして、トラブルになるケースも聞きます)

本部を選ぶ際は、以下の点にご留意ください。

本部選びの留意点
1.理念を共有する
2.契約内容・諸費用を十分確認する
3.収支計画は自分で作成する
4.生活費を確保してスタートする
5.将来的な変動要素も考慮する

1.理念を共有する

FCチェーンへの加盟は、人生をかけた投資です。多額の資金を投じ、加盟すると契約書を締結するので簡単にはやめられません。FC本部とは長いつきあいになります。
初期投資額や収支モデルといった金銭面も大切ですが、それ以上に、人生をかけ、共に歩んでいけるFC本部かどうかを判断しましょう。そのためには、FC本部の理念を確認し、共感できるかどうかを見極める必要があります。

2.契約内容・諸費用を十分確認する

FCチェーンに加盟する際、加盟金などの費用負担がかかります。また、加盟後も毎月ロイヤルティを支払うことになります。こうした資金負担に対して、本部からどのようなサポートを得られるのか、対価は何かを十分確認してください。他チェーンと比較して違いを本部に確認すると、理解が深まります。本部が提供するサポートは、契約書に記載されています。契約書に書かれていないことは、サポートされない可能性が高いと考えるべきでしょう。
FC加盟して事業を始めるにあたり、本部が提示した初期投資額以外にも費用がかかる場合があります。例えば、店舗を構える際に敷金や仲介料などの物件取得費がかかります。どのような費用がかかるかを、十分確認したうえで、多少の余裕資金をもってスタートすることをおすすめします。

3.収支計画は自分で作成する

出店候補地が決まると、本部から収支予測を提示される場合があります。本部が提示する収支予測は、加盟希望者を加盟させることが目的であることから、楽観的な収支予測になっている可能性があります。事業は思い通りに進まないものと考えるべきでしょう。
開店準備等で忙しくても、自分自身の手で収支計画を作成するよう心掛けてください。収支計画は思い通りに事業が立ち上がらない保守的なシナリオも含め、数パターン作成することをおすすめします。

4.生活費を確保してスタートする

思い通りに事業が進まない場合、売上は伸び悩む一方で、費用は固定的に発生します。収支マイナスが続くと預金残高が減少し、日常生活にも支障をきたします。
事業を始める際は、売上が低調であっても困らないよう、1年程度の生活資金を確保しておくことが望ましいと言えます。

5.将来的な変動要素も考慮する

将来の人口動態の変化、商圏の変化、社会の変化がどうなるか、想定しておくことも大切です。最近は、最低賃金が年々上昇しています。これは、アルバイトなどを雇用する場合の時給の下限を都道府県が定めているものです。東京都の2019年の最低賃金は10年前の128%、全国平均の最低賃金でも10年前の126%になっています(下記グラフ参照)。将来的な変動要素として、労務コストの上昇は考慮しておくべきでしょう。現状の収支モデルでは採算がとれていても、労務コストが上昇すると採算が取れなくなります。今後、労務コストが上昇しても収支がプラスになるよう、収支計画を検討する必要があります。

※業種ごとの詳細は、『よくわかる!FCチェーン収支モデル比較ハンドブック改訂版』(2020年3月4日発刊)をご参照ください。

関連記事一覧