情報開示書面

フランチャイズで重要な情報開示書面(法定開示書面)の大切さを理解しよう ~その2~

法定開示書面は重要情報満載

今回は、 法定開示書面 に記載されて情報をどうやって活用するかについて、例をあげて考えてみましょう。

貴方がダメなチェーンに加盟してしまうと、もうこれは一大事。店を閉めて、チェーンをやめても借金などの負債が残ります。この借金は自己破産しない限り、死ぬまで付いて回る。また、契約解除を理由に本部から多額の 違約金 を請求されることもあります。フランチャイズ加盟は、加盟店オーナーの人生そのものを左右する重大事項なのです。

フランチャイズで成功するためには、しっかりしたフランチャイズに加盟することが何より大切なのです。実は、法定開示書面には、本部の優劣を測るために大切な情報が記載されています。

本部事業者の役員の氏名・主要株主

世の中には詐欺まがいのフランチャイズはたくさんあります。ろくなノウハウがないのに派手に加盟店を募集し、計画倒産に近い形で撤退。加盟店オーナーからかすめ取った金を懐にいれ、またぞろ二匹目のどじょうを狙う輩さえいます。あるいは、架空の投資を勧誘して出資法違反で逮捕歴がある詐欺師(?)がフランチャイズビジネスに参入したということもありました。こういう輩はダミーの社長を仕立てたりするので、本部の社長だけでなく役員や主要株主のチェックも必要でしょう。有難いことに、本部事業者の役員の氏名や主要株主も法定開示書面の開示事項になっているんです。

インターネットが普及した今では、ポチッとググればたいていのことはわかります。法定開示書面に書かれた役員の名前や主要株主を片っ端から検索してみてください。過去に悪事を働いたことがある人が役員に名を連ねていたり主要株主であったりしたら要注意ですよ。

店舗数の推移は重要情報

「チェーン概要」の中の「直近の3事業年度における加盟者の店舗の数の推移」は、加盟を検討するうえで重要な情報になります。この部分は、以下の4項目で構成されています。

  1. 各事業年度末の加盟者の店舗の数
  2. 各事業年度内の加盟した新規出店数
  3. 各事業年度内に契約解除された店舗数
  4. 各事業年度内に契約更新された店舗数及び更新されなかった店舗数

私はこれらの数値を一定の基準で見るだけで、そのフランチャイズの優劣は凡そ見当が付くものと思っています。

加盟者店舗数が増えているチェーンは有望

先ずポイントになるのが、1.の加盟者の店舗数です。エンドユーザーの支持を受けていて1店舗当たりの売上が増えているようなフランチャイズがあったとします。当然、そのフランチャイズに加盟しようとする人が増えるはずです。結果として、店舗数が増えていくものと考えられます。

店舗数が減っていれば、この反対のことが起こっていると言えるでしょう。このように考えると、加盟者の店舗数の増減は本部の実力を写す鏡ということができます。

加盟者店舗数増減の内訳にも注目

ただ、加盟者の店舗数の増減だけではわからないこともあります。そこでチェックしてほしいのが、2.の新規出店数と3.の契約解除された店舗数です。たとえ1.の店舗数が増えていても、3.の契約解除された店舗数が多ければ、そのフランチャイズのどこかに問題がある可能性は高いでしょう。

反対に、1.の店舗数が横ばいであったとしても、3.の契約解除された店舗数が少なければ、加盟店の経営は安定しているとも考えられます。

最後に、4.の契約更新された店舗数及び更新されなかった店舗数も注目です。フランチャイズは契約の期間が決められています。契約の期間が満了しようとするとき、加盟者の店舗の経営が順調であるなら、契約を更新して事業を続けようと考えるはずです。反対に、契約を更新しない店舗が多い場合は、そのフランチャイズに何らかの不満があって契約を更新しない加盟者が多かったということにもなるでしょう。

このように、法定開示書面の一部の数字を眺めるだけでいろんなことがわかってきます。また、法定開示書面にはこの他にも重要な情報が満載されています。

法定開示書面を提示しないチェーン

フランチャイズ本部の中には法定開示書面を提示しないチェーンや主要部分を省略した法定開示書面を出してくるチェーンがあります。おそらく、加盟希望者に知られたくない事実があるのでしょう。例えば、財務内容が極端に悪かったり、撤退店舗が相次いでいるなど。こんなチェーンは論外です。知られたくないことを隠そうとする姿勢は許せませんね。今すぐ、加盟候補から除外するべきです。

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