フランチャイズ加盟

フランチャイズ加盟に向けた5つのステップ

フランチャイズ加盟についてよくある質問として、「どの本部が一番儲かりますか?」とか、「今はどの業界(業種)が一番おすすめですか?」といったものがあります。しかし、誰にでも合う本部や業界など存在しません。どの本部や業界にもリスクは存在します。

フランチャイズ加盟は、新規事業を行う際の優れた選択肢ではありますが、加盟はあくまで自分自身のビジネスを実現するための手段にすぎません。まずは、価値観や適性、能力、ビジネスを通じて目指す方向性などについて自己分析を行い、理念共同体として心底認めることができるフランチャイズ本部へ加盟することが、成功の第一歩です。

そのためには、以下の5つのステップに則り、加盟の検討を進めていくとよいでしょう。

Step1 フランチャイズビジネスの理解と自己分析

まず、フランチャイズビジネスについて正しく理解する必要があります。そして、加盟者自身について自己分析を行い、フランチャイズシステムの活用が、自分自身にとってふさわしいかを判断します。自分はなぜ起業するのか、起業の際に足りないものは何かを確認し、加盟で得られる効果やメリットと、加盟により生まれる義務やデメリットの双方を認識しておく必要があります。

Step2 幅広い情報収集と業種・業態の選択

次に、フランチャイズ業界全体、さまざまな業種・業態の動向や特徴、業界内の企業情報などについて幅広く収集します。加盟のための基礎材料や判断基準を蓄積すると共に、自身で判断できる目を養うことが重要です。主な情報源は、日本経済新聞や日経MJなどの新聞、「月刊商業界」などの雑誌、日本フランチャイズチェーン協会などのホームページや本部情報比較サイトなどのポータルサイトです。

業種・業態選択のポイントは、社会・経済環境の動向、消費者のライフスタイル・嗜好のトレンドなどから、業種・業態の動向を確認するとともに、店舗数や業態開発力、ライフサイクルの状況などをみて、業界内での各企業の状況を把握することです。

Step3 本部情報の収集と絞り込み

加盟しようと考える業種・業態がある程度絞り込めたら、セミナーや展示会なども活用して、さらに個別企業の情報を深堀りし、加盟にふさわしい企業候補を選択します。

セミナーや展示会などで収集すべき情報としては、企業概要、経営理念、沿革、事業内容、本部売上高、店舗数などの事業内容とともに、開業資金、モデル収支、加盟基準などの加盟希望者向けの基本情報です。また、本部が開催する事業説明会などにも参加し、さらなる情報入手を図ることも有効です。

Step4 本部の評価・選択

次に、実際に本部や加盟店を訪問します。これは、加盟する本部を最終決定する判断材料として重要で、本部や加盟店の生の声や実態、社風などを肌で体験できる貴重な機会です。本部訪問時には、企業内の雰囲気、従業員の対応や本部経営者(幹部層)の経営姿勢や資質、能力について確認すべきです。その際には、経営者(幹部層)の経営哲学をしっかり聞きましょう。また、加盟店訪問時には、消費者視線で見た印象とともに、顧客の動向、立地環境、客数や客単価および商品、接客、サービスなどの状況について確認します。加盟店主の生の声を聞き、本部側の説明と相違がないかも確認しましよう。この段階ではまだ、複数の本部を比較・検討し、評価することが重要です。

Step5 契約内容の確認と最終判断

最後に、契約前に本部が加盟希望者に対して交付・説明することが義務付けられている『法定開示書面』の記載内容を確認します。本部に関する情報やフランチャイズ契約に関する概要が記載されていますので、トラブル防止のためにも必ず熟読・理解し、不明な点は確認しましょう。そして、今まで収集・評価し、検討した内容をもとに事業計画書や資金計画書を準備します。本部から提示される開業提案書などを鵜呑みにするのではなく、自身(自社)でも計画を作成し、判断することが重要です。そして、最終段階として、本部責任者との面談を経て、契約内容の最終確認を行い、契約実行になります。本部責任者との面談では、相手が共感や信頼できる人物かということが重要なポイントになります。

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